30代から始める資産形成のお話

30代から始めるよ 資産形成( ˘•ω•˘ )

会計士っぽい視点による記事~みんなのクレジット編~②

前回に引き続き決算公告を見てみましょう

単位:千円  4月現在    
流動資産 4,230,510 流動負債 4,077,560
固定資産 48,000 負債合計 4,077,560
資産合計 4,278,510 資本金 200,000
    利益剰余金 950
    純資産合計 200,950
    負債純資産合計 4,278,510

※以下のコメントは現在みんなのクレジットの案件の一覧などは開示されていないため、他のブログの情報等を基とした推測を含みかなりのざっくり計算となることをご了承ください( ˘•ω•˘ )

 

まずみんなのクレジットのビジネスフローを確認しましょう。

投資家から資金を集め(これが流動負債の過半を構成)、

貸出を実施し(すべてBWD関連会社への貸出であったことが金融庁検査により判明。流動資産のうち40億超が該当 詳しい金額は不明)、

利息を徴求し一部を投資家に還付、残りを報酬として計上

となっています。

これをPLに落とすと

収益 BWD関連会社からの収益

費用 投資家への配当+諸費用+キャッシュバック+信用コスト  ですね

この差し引きで利益を計上しているということになります(`・ω・´)

※ただし以下では不明な諸費用と信用コスト(貸倒引当金繰入額)は不明なので省いて計算します。

投資家への配当は10%に迫るファンドも組成していたとのことですので他のブログを参照し8%程度であったと仮定します。

キャッシュバックですが、金額が大きくなればなるほど大きくなるでしょうがわかっている自分の場合を適用します。そうすると14.5%ものキャッシュバックをもらっているようでした( ゚Д゚)この割合をそのまま使います。

さらに以下の仮定を置きます

①毎月同額の資金が集まりファンドを運用していた。

②同額をすぐに運用に回していた

そうすると費用面はざっくりですが計算できます。

支払利息 40億円×8%×1/2=1.6億

キャッシュバック費用 40億円×14.5%=5.8億円

この状況で収支0に持っていくための利率は 7.4億円/40億円=18.5%

…はい 利息制限法上限利率でもたりません( ;∀;)

現実にはキャッシュバックががばがば計算かもですが、ポイントサイトに支払っていた費用やその他事務費用などもありますし、さらに言えば運用残高は時を経るごとに2次曲線的に増加していたので…これで黒字っておかしくない?( ˘•ω•˘ )

唯一これを説明できそうなのは貸金業法に基づく行政処分内容のこの部分

業務改善命令

処分理由(違反事項) 利息制限法違反

これですかね…  

仮に20%超で貸していたとしたらもしかすると黒字かもしれませんが…

 

BS面も少し切り込みます

JGAAP上債権に対しては貸倒引当金の計上が求められます。

貸倒引当金っていうのは回収できなくなる可能性部分を評価して、回収できなくなるリスクを反映するものです。まぁイメージですが、おおざっぱな友人に1万円貸したとしてあいつから回収できる可能性はまぁ8割くらいだろうと思ったら、その貸付金について2000円の貸倒引当金を設定し、貸出金8000円として自分の家計簿に記帳するイメージでいてください。

さて、BWDの場合貸倒引当金を計上すればいいでしょうか…

答えは正直わかりません!!!

はっ( ゚Д゚)って感じかもしれませんが、貸倒引当率は通常、貸倒実積率の平均により算定するのでヒストリカルデータがないので見積もりはどのようにもできます。通常の場合、ヒストリカルデータがないのであれば引き当てないという判断するあり得ます。

ただし仮にもし、監査法人の監査を受けたら引き当てない判断はありえないでしょう( ˘•ω•˘ )元本償還を2回行っていない企業向け貸し出し、グループの貸し出しでその財務諸表を確認可能であればまぁあるべき金額を理屈つけて決定し引き当てます。

引き当てた場合、純資産2億とのことですので引当率が5%に満たない場合には債務超過にならないですが…BWD社の純資産、業績を見ての判断により要引当額が5%を超過していれば債務超過

少なくとも0.025%も引き当てれば当期純損失の状況です

 

いずれにしてもこの決算公告はこんなざっくり計算でもまぁ実態を表していないのは明白ですね( ˘•ω•˘ )

 

長くなりましたが、この辺で筆をおきます

書いたことでいろいろ整理できたのでソーシャルレンディングを見るうえで何を見なければいけないのかについてもまとめたいと思います!

またよろしくお願いします!!!